2.出産とビフィズス菌 赤ちゃんとおかあさんの絶妙な連携プレー

 

 出産とビフィズス菌 〉 

               

 NHKスペシャル「人体」

“生命誕生”見えた  母と子ミクロの会話 』では

 

受精卵が成長していく過程が

かなりリアルに解明されています

 

おなかの中でお母さんと受精卵の間に

すごいことが起きているのですね。

 

人類が生存のために培ってきた仕組みの

すごさに改めて驚かされると同時に

感動的なシーンが続出します。

 

みなさんもぜひご覧になって

いただきたいと思います。

 

そのことから出産時のことも想像できます。

 

赤ちゃんが産まれる時に、

お母さんはどんな準備をしてくれるのだろうか。

産道では何が起こっていくのか 

 

産まれた後、赤ちゃんをどのようにして

外敵から守っていくのだろうか 

 

想像は次から次へと広がっていきます。

その続きはいったいどうなっていくのでしょう。

 

出産で赤ちゃんが通る産道()には

たくさんの細菌がたむろしています。

 

悪玉菌も、大腸菌もいます。

それらの細菌たちをお母さんは

掃除してくれているようです。

 

乳酸菌を増やして、

産道を酸性にしてくれるのです。

 

悪玉菌、大腸菌などは酸性が苦手なので

活動できません。

 

出産が始まると、

赤ちゃんはお母さんが掃除してくれた

産道を進んで行きます。

 

そこでは赤ちゃんの口や鼻から細菌が

どんどん進入していきます。

 

ここで赤ちゃんの腸内細菌の

分布( 腸内フローラ )が決まるといっても

いいようです。

 

お母さんが次に用意してくれるのは

赤ちゃんが飲むお乳です。

 

お乳の中にはオリゴ糖が含まれています。

赤ちゃんはオリゴ糖を消化できないのですが、

オリゴ糖はビフィズス菌のエサになります。

 

その後大腸菌などが赤ちゃんの腸内で

一時的にどっと増えます。

 

その大腸菌などを排除するために

大量のビフィズス菌が必要なのです。

 

生後 5日目には赤ちゃんの腸内は

95%のビフィズス菌で占められます。

 

ビフィズス菌は悪玉菌が出す毒素から

赤ちゃんの腸を守ってくれます。

 

お母さんは二重三重の防御装置を

赤ちゃんのために事前に用意してくれているのです。

 

こうして赤ちゃんの か弱い腸は守られ、

腸内フローラを元気に一生を過ごしていく

ための状態にしていくのです。

 

離乳食が始まると赤ちゃんの腸内フローラは

徐々に大人の腸内フローラにシフトしていきます。

 

妊娠から出産までのこの一連の流れで

赤ちゃんが一生を元気に生きていけるかどうかが

決まってしまうといっても過言ではないでしょう。

 

ただし帝王切開の場合はそうはいきません。

 

出産前にお母さんの中で準備されてきた

赤ちゃんを守るために行われている

二重三重の安全装置を使うことができないからです。

 

赤ちゃんはいきなり外界に触れ、

空気中にいる細菌や医者や看護師の手に付いた

細菌が一斉に入り込んでくるからです。

 

それから感染症を防ぐために抗生物質が

使われる場合が多いと聞きます。

 

抗生物質は腸内フローラをぐちゃぐちゃに

してしまいます。

 

海外のデータでも抗生物質を使った場合は

その後、アレルギー、ぜんそく、肥満などで

苦しむ場合が多いそうです。

 

腸内 フローラを整えるために

赤ちゃんは生涯、苦しむことにもなるのです。

 

日本でも帝王切開が増える傾向にあるようです。

 

自然出産で、

元気で真っ赤な赤ちゃんを産むためには

便秘は解消しておいて欲しいですね。

 

 

 

《 日本の帝王切開の状況図 》

海外での帝王切開の比率は

日本より高いところが多く、

 2倍以上のところもあるようです。

 

楽な出産、痛くない出産を望むのは

わかりますが、

安易に帝王切開をするのは考えものです。

 

出産の準備、出産、出産後の

赤ちゃんへの栄養供給など、

出産を巡るお母さんと赤ちゃんの

絶妙な連携プレーは、

 

神が人類へ与えてくれた

愛のこもった最高の贈りもので

あるのかもしれません。

 小児アレルギーと腸内細菌の意外な関係 

NHK 健康ジャーナル より引用

 

 

《 世界の帝王切開の状況図 》

※( 医療施設調査 ) (Survey of Medical Institutions) より 引用