1.腸内フローラを整える、善玉菌を増やす

     

 ≪踏ん ()切りをよくして、正しい決断と快適な生活を≫

 

    腸内フローラを整える、善玉菌を増やす

 

便秘の改善はなんといっても腸内フローラを

整えることです。

善玉菌優位の腸内フローラにすることです。

 

そのためにあらゆる対策を

総合的に立てることが肝要です。

 

一時的に便秘が解消した。

痩せたといって喜んでいてはいけません。

 

毎日を生き生きと健康に生活できることが大切です。

 

⑵ 乳酸菌の歴史

 

まず何をおいてもビフィズス菌や乳酸菌を

しっかり取ることが始まります。

 

乳酸菌の歴史は古代文明に始まり、

近代、顕微鏡の発明によって

飛躍的な発展をしてきました。

 

近代、乳酸菌の研究は 18世紀オランダの

レーエン・フックが乳酸菌を

初めて観察したことから始まっています。

 

その後 19世紀に乳酸発酵の研究を始めた

フランスのパスツール。

 

乳酸菌の平板培養法を確立したコッホ。

 

赤ちゃんの糞便から

ビフィズス菌の発見をしたのは

パスツール研究所のティシエです。

 

19世紀末に『ヨーグルト不老長寿説 』を唱えた

ロシアのイリヤ・メチニコフ。

 

メチニコフは免疫細胞の食菌作用を発見して

ノーベル医学・生理学賞を受賞した人です。

 

メチニコフはブルガリア地方に

100歳以上の長寿者が多いことに着目しました。

 

メチニコフはヨーグルトを取れば、

その中に含まれる乳酸菌の一種である

ブルガリア菌が腸内で増えて

腐敗菌の増殖を抑え老化を防ぐことが

できるという説を発表しました。

 

この説は人々の注目をおおいに集めました。

ヨーグルトは人類の夢、不老長寿を実現する

食べ物として、たちまち世界中に広まりました。

 

その後メチニコフが 71歳という年齢で

亡くなったことや、その後の研究で、

ブルガリア菌は人間の腸には住みつかず

増殖できないことがわかりました。

 

メチニコフのヨーグルト不老長寿説は

人々から忘れ去られることになりました。

 

21世紀の今日になって、

ヨーグルトが世界中で健康を維持するために

食べられることとなり

再び注目を浴びることになっています。

 

乳酸菌の歴史をみてみると

生きた乳酸菌を腸まで届けるという

プロバイオティクス。

 

代表的な食品として 代田稔が開発した

ヤクルトがあります。

 

『予防医学』、『健腸長寿』を目指していた

代田稔は、

1930年ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株の

培養に成功します。

 

1935年に実業家の永松昇とヤクルトの全身である

代田保護菌研究所( しろた )をたち上げます。

 

死んだ菌でも十分に効果があるという

プレバイオティクス。

 

代表的な食品として 三島海雲が開発した

カルピスがあります。

 

三島海雲は満州で行商をしていましたが、

1908年日本軍部から軍馬調達の指名を受けました。

 

当時の満州は財閥が割拠していて、

三島海雲の入る余地はありませんでした。

 

そこで海雲は隙間の内蒙古を目指します。

内蒙古モンゴルではジンギツカンの末裔という

遊牧民の王族の世話になりました。

 

そこで食べさせてもらった

酸乳(ジョッヘ酸乳 )が美味しく

胃腸が弱っていた海雲は元気を取り戻します。

 

日本に帰った海雲は自分を元気にしてくれた

酸乳を開発し、世に広めようと会社を起ち上げました。

1919年「 初恋の味 」カルピスを誕生させました。

 

1923年に起こった関東大震災の時、

三島海雲は全財産を投げうって

カルピスを被災者に配って回りました。

 

三島海雲は『 国利民福 』を会社の訓示とし、

会社は国を富ませるためにあり、

民を幸福にするためにあるのだという

考えを常々語っていました。

 

それと比べて 今のグローバル経済の

利益最優先の世の中はどうでしょうか 

 

何かが狂っているのかもしれません。

 

日本では光岡知足が

腸内フローラのパイオニアです。

 

さまざまな実験、発見、実践により

私たちが健康に生きるための

方法を提示してくれています。

 

その中で腸内フローラの改善が

便秘の改善のみならず、

体全体に影響を及ぼし免疫力を高める。

 

内分泌にも影響を与え、腸管神経にも

いい刺激を与えるというバイオジェニックス

という考えも始まっています。

 

バイオジェニックスは

まだ始まったばかりですが、

腸内フローラの改善が生活習慣病、糖尿病、

がんにも効果があるという臨床結果も

すでに出てきています。

 

腸内環境を劇的に変える方法として、

糞便移植も開始されています。

 

アメリカでは『クロストリジウム・デフィシル感染症』

に糞便移植が試され結果が出ています。

 

※糞便移植とは

 健康な若い人の便を薄めて

難病などで苦しむ人の腸内に注入し移植する。

腸内フローラのの総入れ替えをするというもの。

 

  クロストリジウム・デフィシル感染症とは

日和見菌クロストリジウムの一種である

デフィシル菌が異常繁殖し、

大腸に炎症、発熱、腹痛を起こす。

抗生物質の耐性 日和見感染( 院内感染 )です。

 

イタリアのギオン・チェティは

12兆個の乳酸菌を入れた腸内サプリを開発。

 

やはり難病の潰瘍性大腸炎を改善する

といった結果も出ています。

 

これらのさまざまな取り組みや研究によって

腸内フローラを整えることが

いかに重要であるかということが

ますます問われることになるのでしょう。

 

便秘で苦しんでいるあなたには朗報かも