1.腸内 フローラの悪化

       

腸内フローラのバランスが崩れ、悪化することも

便秘の大きな要因です。

 

私たちの腸内ではたくさんの細菌が生息しています。

赤ちゃんが生まれて育っていく過程を

あなたは想像してみてください。

 

赤ちゃんが胎児の状態では

腸内細菌は存在しませんが、

出産によってその環境は激変します。

 

破水して産道を通る時から

外界のさまざまな細菌たちが

赤ちゃんの体や腸内に一斉に襲い掛かってきます。

 

生後 3~4時間後には赤ちゃんの腸内は

細菌たちであふれるのです。

 

そして常在細菌となって

一生私たちの体に住み着きます。

 

その腸内細菌たちは私たちと同じで、

生きていくために食べ物が必要です。

 

腸内細菌たちは私たちが摂取する食べ物を

エサとして摂取して生きていきます。

 

腸内細菌は私たちと共存することが必須条件です。

そうしなければ、生きていくことができないのです。

 

ただ中には悪さをする細菌がいて、

私たちに害を及ぼすのです。

 

私たちの体内には300種類~400種類の細菌がいて、

その総数は100兆個ともいわれています。

 

そして腸内細菌たちの存在する場所はさまざまです。

 

口の中では、酸に弱い細菌が多いのですが、

胃では、消化液の力が強く、酸性が強いため

口の中にいる細菌はほとんどが胃で死んでしまいます。

 

十二指腸や小腸では、すい液や胆汁が分泌され

消化液は中和されるため酸性が弱まり

腸内細菌は増えてきます。

 

そして酸素が若干存在するので、

酸素を必要とする乳酸桿菌が多く、

 

大腸では、無酸素状態なので

酸素がなくても、生きていける嫌気性菌の

ビフィズス菌、大腸菌、ウエルッシュ菌などがいます。

 

それぞれの腸内細菌は集団をつくって

縄張りを決めています。

 

その縄張りがきれいで整然としていることから

腸内フローラ(お花畑)と呼ばれています。

 

もし新しい菌が入ってきたら、

その菌の侵入を防ぐために攻撃して排除します。

 

腸の中では細菌たちが常に縄張りを巡って

勢力争いをしています。

 

善玉菌、悪玉菌、日和見菌の 3つの菌です。

 

これらの腸内フローラの勢力図の理想的な比率は

 

善玉菌 2 対、日和見菌 7 対、悪玉菌 1

 

の割合です。

日和見菌は勢力の強いほうになびきます。

善玉菌が強ければ傍観し、悪玉菌が強ければ悪玉菌に

なびきます。

 

縄張り争いで勝った腸内細菌は勢力を拡大します。

 

便秘の人はこの腸内フローラが極端に崩れ、

悪玉菌と日和見菌がはびこっているのです。

 

私たちは健康を維持し便秘を改善するために

この腸内細菌を理想的な比率にする

ことが必要なのです。

 

便秘があるとこの腸内フローラの縄張りは

崩れていきます。

 

有害物質や有毒ガスが発生して

さまざまな異常を引き起こします。

 

そして悪玉菌と日和見菌が優位の

勢力図に変わってしまいます。

 

おなかの不調、栄養吸収力が落ちる、

便秘が悪化、下痢、残便感がある、

 

おなかが張る、膨満感がある、腸に炎症がある、

顔色が悪い、肌荒れ、にきび、しみ、

 

体が重い、だるい、肩こり、冷えがある、

寝つきが悪い、うつになる、免疫力が低下する、

 

自律神経が乱れるなど体にさまざまな影響が

出てきます。

がんにもなる可能性があるようです。

 

悪玉菌が作る有害物質のアミンは

亜硝酸塩と反応すると

ニトロソアミンという発がん性物質を作り、

胃がんの発生と密接に関わっています。

 

  亜硝酸塩とは野菜や飲料水に高濃度に

含まれている硝酸塩から作られるほか、

ハムやソーセージに発色剤として含まれていて

日常的に私たちの体内に入ってきています。

 

脂肪は胆汁に含まれる胆汁酸で分解されます。

悪玉菌はその胆汁酸を

発がん性の二次胆汁酸に変えてしまい、

大腸がんの原因となると考えられています。

 

乳がんは女性ホルモンの過剰分泌と

関係があるといわれていますが、

脂肪から女性ホルモンを作り出す細菌が

確認されています。

 

また乳がんの患者さんを調べてみると

一週間に 23回しか便通がない人が多い

ということがわかっています。

 

便の回数はがんとは関係ないという説も

ありますがどうでしょうか ?

 

アメリカ カリフォルニア大学の

ペトラキンス博士とキング博士は、

 

乳がん予防検診に訪れた 1481人の女性の

乳房から細胞を採取して研究したところ、

 

便通が週 2回以下の人では

4人に 1人が がん細胞に転化しやすい

異常細胞を持っていたのに対し、

 

少なくとも 1日に1回以上便通のある人では

 20人に 1人しか異常細胞を持っていませんでした。

 

つまり便秘がちな女性は、

毎日便通がある女性の 5倍も、がん細胞に

転化しやすい異常細胞を持っていることになるのです。

 

これは便秘をしていると腸内細菌が

乳がん細胞の増殖を刺激する女性ホルモンを

さかんにつくるためだと考えられています。

 

乳がんも増えています。

便秘をバカにはできません。

 

便秘や便の回数が少なく便が長い間、

腸内に滞在することは悪玉菌にとっては好都合です。

 

好きなエサがふんだんにあって、

大暴れする環境を与えてしまいます。

 

悪玉菌が発生させる有害物質や発がん性物質は

大腸の壁を傷つけ、血管の中に入って全身を巡り、

他の臓器にもがんを引き起こす

原因にもなっています。

 

また脳にも影響を与え認知症にも

なりやすいようです。

たかが便秘されど便秘と思っていたほうが

いいようです・・・。

 

  このように腸内フローラが崩れて悪化すると、

  便秘になるだけではなく、

 

恐ろしい病気も引き起こしてしまうのです。

 

腸内フローラを整えて、

便秘は一日も早く改善のしておきたいですね。